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牛上隆司ユーフォニアムリサイタル2025プログラムノート5
本日は、コンサート ヴァリエーションズ ジャン・バックをご紹介します。 https://www.ryuji-ushigami.com/event-details/ushijotakashiyufoniamurisaitaru2025-2 ジャン・バック氏は、タンパ大学や北イリノイ大学で音楽理論や作曲を教えていました。また、彼はホルン奏者でもありました。 通常テーマとヴァリエーションのスタイルの作品は、民謡などのポピュラーなテーマと極めてシンプルな伴奏の上にのった独奏楽器の名人芸的な演奏技術を披露する物ですが、この作品は大きく異なります。このコンサート ヴァリエーションズは、極めて現代音楽的なスタイルに徹して書かれ、テーマに巧みに散りばめられた伏線が、見事に回収されて行く様は、聴く者にある種の爽快感と驚きを与えます。 2nd CD オブセッションズにこのコンサート ヴァリエーションズを収録しているのですが、ジャン・バック氏にお送りしたところ、大変気に入って頂き、明日日本に行くから会いたい!とメールを頂き、(実際には2日後ではありましたが)新宿でお会
11月18日
牛上隆司ユーフォニアムリサイタル プログラムノート4
本日は、千秋次郎氏の うるわしきもの流れゆくなり をご紹介します。 https://www.ryuji-ushigami.com/event-details/ushijotakashiyufoniamurisaitaru2025-2 千秋次郎氏の作風は、日本の伝統音楽の感性を基調とする非前衛・新古典主義的な作風です。大阪芸術大学芸術学部で教鞭を取っておられました。今年5月11日に御逝去されています。 「うるわしきもの流れゆくなり」は、私が1990年に初めてリサイタルを開催した折に委嘱・初演した作品です。《うるわしきもの流れゆくなり》という表題は、1927年にわずか29歳で世を去った詩人・八木重吉の詩篇によっていて、“美しいものが、楽しいものが、私の心をよぎって行く。しかし、なすすべもなく私は沈黙したまま、それらを見過ごすばかりだ”という内容の、死の3年前に書きとめられた詩稿で、つつましいクリスチャンでもあった詩人の、かぎりなく透明な、憧れと悲しみにみちた想いが、この音楽の基調になっています。 千秋次郎先生には、この作品を始め、ユーフォニアム・カム
11月17日
牛上隆司ユーフォニアムリサイタル プログラムノート3 ユーフォニアム協奏曲 カール・ジェンキンス
カール・ジェンキンス氏は、イギリスのジャズ系ミュージシャンで、クラシックやイギリスのニューエイジと言われるジャンルの作曲家。ピアノ・オーボエ・バリトンサックス奏者でもある。 このユーフォニアム協奏曲は、ユーフォニアム奏者デイビッド・チャイルズがこの有名な作曲家であるカール・ジェンキンス氏に委嘱した作品。 1楽章 Juggler 大道芸人で、玉や様々な物を投げては取る曲芸ージャグリングーを行う軽業師。繰り返される妙義の数々を音で表現した楽章。ジャグリングのようにユーフォニアムで様々な軽業を披露する。冒頭にWith a sense of fun と書かれており、奏者に楽しいセンスで演奏するよう求められている。6/8拍子と3/4拍子を行ったり来たりしながら、5連符・7連符・8連符で聴衆を煙に巻くテクニカルで楽しい楽章。 2楽章 Romania ロマンザというのは、叙情的な小品の器楽曲や声楽曲に与えられるタイトルで、元々はイタリアのロマンツァが由来です。 この2楽章ロマンザも、ロマンチックなメロディーで構成されていますが、細かな16分音符・32分音符・6
11月16日
牛上隆司ユーフォニアムリサイタル2025 プログラムノート2
シネマティック・ラプソディ 前田恵実 前田恵実氏は、様々なジャンルのフィールドで活躍している作曲家。オーケストラや吹奏楽はもとより、映画やドラマ、イベントなどあげれば枚挙にいとまが無い。最近では、ドラマ「青島くんはいじわる」、10月12日スタートの「すべての恋が終わるとしても」、映画「静かなるドン2」などでも音楽担当として活躍している。 細かなプロフィールは、リンク先を参照して下さい。 https://www.emimaeda.com/biography このシネマティック・ラプソディは、2023年に実施したヨーロッパ コンサートツアーのために書かれた作品で、パリ(フランス)・ブリュッセル(ベルギー)・アントワープ(ベルギー)の3都市で演奏されました。 作品の冒頭部には、「絡み合うように揺れて(As if intertwined, swaying)」と記述があり、ユーフォニアムとピアノの対話的表現から始まる。次第に盛り上がると怒り・慟哭・嘆きの様な感情表現を経て、畳み掛ける様な後奏部から鮮やかなエンディングに導かれる。 アンサンブルの難しさや様々
11月13日
牛上隆司ユーフォニアムリサイタル2025 プログラムノート
牛上隆司ユーフォニアムリサイタル2025 皆さんこんにちは! 11月19日(水)に開催の 牛上隆司ユーフォニアムリサイタル2025 にお越しいただく方々に事前に作品の理解を深め、よりお楽しみ頂けるように作品の解説をシェアして行きたいと思います。 https://www.ryuji-ushigami.com/event-details/ushijotakashiyufoniamurisaitaru2025-2 最初にご紹介するのは、フィリップ・スパーク作曲、パーティーピース フィリップ・スパークは、言わずと知れたイギリスの作曲家。ブリティッシュスタイルのブラスバンド作品は元より吹奏楽作品、ユーフォニアム独奏曲も数え切れないほど。 「パーティー・ピース」は、1986年にケンブリッジ・コープ・バンドによって、長年にわたり主席ユーフォニアム奏者(後に指揮者)を務めたチャールズ・シップのために書かれました。 作品の作りは、パントマイムやハーレクィンなどと良く似たスタイルで、2つのセクションから成り、ゆったりと歌う前半部分、短いカデンツァによって繋がれたテク
11月12日


ギャラリー・グランド・エテルナ
皆さん、こんにちは! ギャラリー・グランド・エテルナのスタッフの方と 2ヶ月も空いてしまいましたが、ヨーロッパツアーの続きです。 ハノイからの出発遅延とGPSの故障で、10数時間も延々とただ空を彷徨っているような気分に陥りながら…途中ワインや料理の機内プログラムを視聴したり...
2023年9月27日


皆さんこんにちは!ユーフォニアム奏者の牛上隆司です。
So-netのホームページサービス停止以来、無くなっていたホームページですが、 平野氏にお手伝いいただき、こちらで復活する事になりました。 ブログも開設し、コンサート情報やレッスン情報なども少しずつシェアして行きたいと思います。 どうぞ宜しくお願い致します。...
2023年7月22日
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